昨年のある週明け、社内で衝撃が起きた。
若手社員の一人が、退職代行を使って辞めていった。
それは突然の電話だった。
辞めた若手社員の上司のもとに、退職代行を名乗る者から電話が入り、
「○○さんは退職します」と。
本人に連絡を取ろうにも、
会社支給の携帯をはじめ備品類はすべて当事者のデスクに戻されており、
連絡も取れない状態だった。
週末にすべて段取りしていたのであろう。
会社としても、上司としても、お手上げ状態。
ある中堅社員は「あいつ、新しいな・・・」とカルチャーショックを隠せない。
しかし、これが現代のスタンダードなのだろう。
当事者は当時、仕事で大きなミスを犯し、お客様にこっぴどく叱られてしまっていたり、
昼夜逆転の勤務状況に疲弊していたという事実もある。
そんな中、逃げ出したくなる気持ちも理解はできる。
しかし、みんなで可愛がってきた若者だった。
たしかに業界柄ブラックなところがあるのは否めない。
それはわかった上で飛び込み、疲弊しながらも仕事にやりがいを感じながら、
組織に帰属し続けているものが多い会社にとって、ショックは大きかった。
退職代行を使って、挨拶もせず、顔も合わせずにいなくなってしまったことは悲しいが、
そういう精神状態に追い込んでしまったのも、会社や上司の責任である。
そうした課題感を会社として認識できたことも大きな意味があったこととも感じる。
結果として、今はその辞めた社員のことを惜しく思っていたり、恨めしく思っている社員はいない。
本人も新天地で新たな居場所を確立していることだろう。
結論として、退職代行という選択肢は
後腐れもなく、お互いに無駄な時間を使うこともなく、
最良の選択肢であったのではないかと個人的には感じている。
退職・転職を考えているあなた、
どう会社に切り出すか、無駄に時間を浪費する暇があれば
過去の清算はプロに任せて、
未来のことに神経を注いだほうがよほど建設的なのではないだろうか。
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